自賠責保険でできる治療とできない治療 ― 患者さんが知っておきたいこと
交通事故に遭ったあと、
「どの治療が保険でカバーされるの?」
「整骨院に通っても大丈夫?」
と不安になる方はとても多いです。
自賠責保険は“必要な治療をしっかり受けて回復するための制度”ですが、
できる治療とできない治療 があるため、知らないと損をしてしまうこともあります。
■ まず、自賠責保険とは?
交通事故の被害者が 自己負担0円 で治療を受けられる仕組みです。
整骨院(接骨院)・病院・クリニックなど、幅広い医療機関で利用できます。
ただし、
「事故のケガに必要な範囲」 が原則です。
■ 自賠責保険で【できる治療】
① 医師の診察・レントゲン・MRI など検査
ケガの状態を調べるための検査費用はすべて適用されます。
② 整骨院(接骨院)での施術
むち打ち・腰痛・打撲・捻挫などの“事故によるケガ”であれば、
柔道整復師の施術(手技・電気治療・温熱など)が保険でカバーされます。
※ 多くの患者さんが「整骨院で治療できるの?」と心配しますが、
自賠責は整骨院での施術もしっかり対象 です。
③ 病院との併用通院
整骨院と病院を組み合わせて通うのもOK。
むしろ医師による定期的な診察は、治療の継続に必要です。
④ 湿布・痛み止めなどの処方
医療機関での薬の処方も保険の対象になります。
⑤ 交通費(通院にかかる分)
電車・バス・タクシー・車のガソリン代も支給されます。
■ 自賠責保険で【できない治療】
① 健康目的のマッサージ・リラクゼーション
気持ち良さを目的とした施術は対象外です。
例:
- リラクゼーションサロン
- アロマ・整体ストレッチ
- もみほぐし など
② 事故と関係のない部位の治療
事故とは無関係の“昔からの持病”や“慢性症状”は認められません。
例:
- もともとの肩こり
- 慢性的な腰痛
- 美容目的の矯正
③ 医師の指示がない自由診療・特殊治療
効果はあっても、以下のようなものは保険会社の判断で認められないことがあります。
例:
- 高額な電気機器・特殊機器の施術
- 医師の診断書なしでの継続的な矯正
- “癒し目的”と判断される手技
④ 高額なサプリ・健康食品の購入
治療とはみなされないため適用外です。
■ 患者さんが注意すべきポイント
① 医師の診断書が重要
自賠責では 医師の診断内容が治療範囲の基準 になります。
整骨院だけに通うと治療が打ち切られるケースもあるため、
病院との併用をおすすめします。
② 「事故との因果関係」がポイント
保険会社が判断するときに最も重視するのは
事故によって発生したケガかどうか。
痛みがある場所は、初診時にきちんと伝えましょう。
③ 施術内容は“回復に必要か”で判断される
同じ施術でも、「治療目的」なら認められますが
「リラクゼーション目的」と判断されると対象外。
■ まとめ
自賠責保険は、被害者が安心して治療を受けられる大切な制度です。
ただし、
- 事故で受けたケガか?
- 医師の診断があるか?
- 回復に必要な治療か?
この3つを満たすことがポイントになります。
不安な点があれば、保険会社への連絡や医療機関との調整もサポートできますので、
いつでもご相談ください。
各院紹介







